大福コンサルタント(株)大隅支店

Year
2023

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【工事種別】 新築工事
【用途】 事務所兼コワーキングスペース
【構造規模】 鉄骨造 2階建て 303.80㎡
【竣工】 2023年2月
【設計】 大福コンサルタント株式会社・トラス・アーキテクト株式会社
【施工】 久徳建設株式会社
【事務備品】 有限会社三昧堂

志布志市は鹿児島県南東部に位置し、島津藩の志布志麓として歴史的街並みが残っている港町である。江戸時代から続く伝統行事「お釈迦まつり」が年に一度開催され、多くの市民や観光客で賑やかな活気で溢れる。お釈迦まつりでは花嫁を乗せたシャンシャン馬のパレードが有名であり本敷地もその通りに面している。

■配置計画 – 1階は道路からセットバックして配置し、2階をオーバーハングさせ、その上に大屋根を架けるボリューム計画とした。「お釈迦まつり」で賑わいのある通りへの圧迫感を緩和させながら、人々を受け入れる軒下空間を作り中間領域を確保できるような建築
を考えた。地域に広く解放したいという施主の思いを表現する為に道路側は広く開口部を設け、事務所とアプローチを分けて計画した。

■構造計画 – 4 本の鉄骨柱を外壁の通りから控えて配置し、軸力のみ負担する小径の H 型鋼の柱を外周部に配置する計画とした。2階床版には CLT の 150mm 厚を採用し建物の重量を軽量化しながら、工期の短縮や環境負荷低減への配慮も実現している。

■意匠計画 – 1階はコワーキングスペースとレンタルスペース、2階は事務所という平面計画である。1階は地域に解放するオープンな空間であるが2階の事務所は作業性重視のため閉じた空間とした。この対比をファサードの格子により表現した。また2階と大屋根を道路側へ跳ね出す事で軒下空間を確保し、その空間により人々が集まり交流の生まれる屋外空間となる。例年「お釈迦まつり」の開催時には観客席として活用している。外観は歴史的街並みに馴染むよう素材選定を行い、使用色を絞る事で格子が印象づく計画とした。

■環境への考え – 敷地には以前、細山田石で積まれた塀があり、それを切削・加工し軒下空間の石敷きや外部のベンチの座面へと活用した。既にあるものを使い続けて行く事は環境にとって大切であり、「COCO 志布志」が地域に根差し、志布志の風景と歴史に刻まれていく事に繋がる。

 

工事の様子はこちらのmemoより