私たちは建物を設計するという仕事をしています。しかし、建物は建って終わりではありません。
建物には2種類あります。個人的な目的で使用される建物と不特定多数が利用する建物に分けられます。個人的な目的で使用される建物については本人が建物について理解をしてさえすれば何の問題ございません。しかし不特定多数が利用する建物については万が一の際に対応できるようにしなければなりません。特に都市部では重要視されることが火災です。火災が起きた際には、人命を第一に考え避難できることが重要です。その避難をする際に、火災を防ぐ部分と火災を閉じ込める部分に分けることで、火災を最小限に抑え、多くの人を守ることができます。また、火災に対して初期消火を行えるように設備を充実させることも重要です。その設備は万が一の際にちゃんと作動することが求められます。
また初期段階で消火できない場合でも、消防隊員が消防活動を行えるように設備を設け、そして定期的に作動するかを確認しなければなりません。
ここでポイントですが、火災と言うと、消防設備的なものが全てだと思われがちです。しかし、消防設備というのは建物に付属されて取り付けられる設備になります。そしてその一部には建築設備と言われる建築が担うものはあるということです。
1つは非常用照明設備です。これは火災等で停電になった場合に点灯する照明器具のことです。停電時に建物の廊下などの避難経路に設置されており、足元で1ルックス以上の明るさを電気がなくても点灯します。もし真っ暗な状態では私たちは進むこともできません。
2つ目は、建物内にて一定区画で火災の際に閉じるドアやシャッターのことです。これも火災時に反応して閉鎖します。火災を広げない役割を持っています。
3つ目には排煙設備です。火災の煙を有効的に外に逃がし、火災の煙の人への影響をなるべく少なくする設備のことです。
こういったものは、消防設備の点検ではなく、建築の設備点検の1つになります。
しかし、この点検は、一定規模以上の劇場集会場や病院、福祉施設ホテル等また百貨店など不特定多数が利用する規模の大きいものが対象になります。
しかし小さい規模だからといってこれを怠ることができません。大きい規模の建物は義務が漬けられていますが、今一度、こういった設備の稼働状況をこの時期に確認してみてください。
木元 達也
一級建築士設計事務所
トラス・アーキテクト株式会社
〒892-0819 鹿児島市柳町1-5-101A
TEL:099-295-0014
E-mail:info@truss-a.jp
公式LINE:@742cwmgj
Instagram : https://www.instagram.com/truss_architect/
