新築の建たない時代2

新築の建たない時代を考える。
建築は作る事がこれまでの常識であった。何もないところから、または何かあるものを壊して新しいものを作る事であった。特に第二次世界大戦後はそれが顕著であり、高度経済成長に向かい勢いを増して新築を行った。ある程度作り終えるとスクラップ&ビルドの時代に入り、壊して新築する時代に入った。時代と経済は直結している。経済の流れにより作る意欲は変わっていく。経済成長の著しい時には、新築意欲も増す。そしてさらにいい新築を作りたがる。経済が鈍足になると意欲は減るのだが、建築は修繕・メンテナンスが必要であり、怠ると建物はどんどん劣化していき、建物としてつかえなくなる。しかし、建て替えて新築するまで設備投資の予算がない。
今後ますます物価の高騰、人件費の高騰が続き、経済を持ち直そうと国は急ぐが、その過程で過剰供給状態の自由経済資本主義の副産物はメンテナンスされず残り続け、一部の都市や集落の風景は空き家という状態の廃墟化が進むだろう。
一度形成された価値観は変えられない、この新築主義を若手が変えていく時代になると思う。
※写真は丹下健三先生の日南市文化センター。保存活用を期待するが、管理する立場のものや周辺の住民にはその価値は薄れている様に感じる。良い建築を永く使う事を期待する。

 

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